歯の外傷

◆外傷

「慌てない・放置しない・速やかな歯科医院受診・治療後の長期観察」

転んだり、ぶつかったりして、歯を強くぶつけると様々な外傷を起こします。特に小児期における歯の外傷は、身体の他の部位よりも発生頻度が高く、その多くは日常生活の中で発生しています。

受傷時は、口の中からの出血や歯の変形などにより、子供も保護者も動揺しがちですが、適切な応急処置と治療が必要となります。症状が軽い場合でも、しばらくしてから症状が出ることもありますので、速やかに歯科医院を受診することをおすすめします。

また、子供の歯は未完成で成長過程のため、歯自体に影響を及ぼしたり、乳歯の場合は後から生えてくる永久歯に影響を与えたりすることがあります。したがって、治療後も受傷した歯の状態と次の永久歯の生え方を長期観察することが大切です。

歯が欠けた、折れた(歯の破折)

歯の外傷で多いのが、歯の口の中に出ている部分(歯冠)が欠けたり折れたりした状態です。大きく欠けたり折れたりした場合、歯の中の歯髄が露出してしまいます。
※使用できる場合がありますので、破片(欠けた部分)を持参のうえ、できるだけ早期に歯科医院を受診してください。

歯が抜けてしまった(脱落)

歯が完全に抜け落ちてしまった状態です。
※歯を植え戻すことが可能な場合があります。抜けた歯を生理食塩水、牛乳、専用保存液などに浸し乾燥させないようにして、できるだけ早期に歯科医院を受診してください。その場合、特に歯の根の部分をあまり触らずに、歯の根に付いている組織(歯根膜)を傷つけないようにしてください。

歯がぐらぐらしている(動揺、歯根の破折、脱臼)

歯が大きくぐらついている状態です。歯ぐきに傷ができていることが多く、歯茎の中で根が折れている場合もあります。
※歯には触らず、揺れている歯を動かさないようにして早期に歯科医院を受診してください。

歯が歯ぐきにめり込んだ(埋入・骨折)

強い衝撃を受け、歯が歯ぐきの中にめりこんでいる状態です。歯の周りの骨が折れている場合もあります。
※状態がよければ再度、元の位置に戻せる場合もありますので早期に歯科医院を受診してください。

歯の色が変わってきた(変色)

歯を強打した場合、歯の神経(歯髄)が死んでしまい、しばらくしてから歯が変色してくることがあります。 ※そのまま放置しておくと根の先に「病巣」ができることがあります。乳歯の場合、その後の永久歯に影響を及ぼすおそれもありますので必ず歯科医院を受診してください。

症例

〇8歳 男児

外傷により、右上前歯が完全に抜け落ちてしまっていました。すぐに歯を戻して固定し、6週間後には完全に生着して神経もつながった状態です。 外傷や歯の脱臼は、とにかく早く処置することが大切です。また、抜け落ちた場合は牛乳につけるなどして歯を乾燥させないことが重要です。

外傷予防

歯の外傷の三大原因「転倒・衝突・転落」

〇乳幼児期~
小さなお子様がいるご家庭では、子供の目線に立って家具の配置などに気を付けましょう。また、転んだり、打ったりしないよう、お子様から目を離さないように注意して下さい。

〇学童期~
危険な場所を把握させ、衝突事故などが起こらないよう、マナーやルールを守る教育が必要です。また、とっさの危険に対応できるように、日頃から反射神経や身体能力を高めておくことも重要です。
スポーツの最中にお口の中や歯をケガすることが多くみられますが、その予防のために「マウスガード」の装着が好ましいです。

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