周術期口腔機能管理

◆周術期口腔機能管理とは?

 

わかりやすく言うと、がん治療や全身麻酔を必要とする手術などにおいて、病院と歯科医院が連携して患者様の「口腔ケア」をしていきましょうというものです。
特に、がん治療や全身麻酔をする手術などにおいて、術前・術中・術後の期間、『周術期』に適切な口腔ケアを行うことが、お口のトラブルや誤嚥性肺炎、感染症の予防や術後の回復を助ける効果があるということがわかっています。

お口の中には多くの細菌がいます。大きな治療や手術で一時的に全身の抵抗力が
弱まったときに、その細菌が悪影響を及ぼします。
治療開始前に歯科医院を受診し、お口の中をきれいにしておくことをおすすめします。

◆周術期口腔管理機能のメリット

・手術後の合併症の減少
・抗がん剤治療や放射線治療に伴うお口の中のトラブルが減少
・傷口からの感染リスクの減少
・入院期間の短縮
・気管挿管時のトラブル回避
・手術後の合併症の減少

手術後の合併症でリスクが高いものに「誤嚥性肺炎」が挙げられます。「誤嚥性肺炎」は命にかかわる重篤な症状です。しかし、手術前にあらかじめ口腔ケアを行うことで、手術後に発症するリスクが大幅に下がることが明らかになっています。

術後合併症率の比率

太田洋二郎:がん治療による口腔合併症の実績調査及びその予防法に関する研究,厚生労働省がん研究報告集より引用

・抗がん剤治療や放射線治療に伴うお口のトラブルが減少
がん治療の放射線療法や化学療法時に起きる、カンジダ・ヘルペスなどのウィルス口内炎の2次感染を予防することができます。

・傷口からの感染リスクの減少
口や喉、食道などの手術の場合、お口の中の細菌を減らしておくことで、術後に傷口が感染を起こすリスクを減らすことができます。

・入院期間の短縮
あらかじめ口腔内の状態を良好にしておくことで、手術後の食事開始がスムーズになり、早期回復・早期退院につながります。

術後在院日数

 

 

 

 

 

 

 

大西徹郎ほか:周術期における口腔ケアの有用性についての研究,看護技術より引用

・気管挿管時のトラブル回避
全身麻酔の手術では、口から喉の奥(気管の中)に人口呼吸器のチューブが入ります。むし歯や歯周病で歯がグラグラしていると、その際に歯が折れやすくなったり、抜けやすくなったりして非常に危険です。手術前の口腔ケアにより、歯の脱落や破折を防ぎます。

◆周術期における口腔機能管理のイメージ

~医科歯科連携の流れ(例)~
①病院の先生より当院に口腔ケアや治療の依頼(術前)
②歯科医院にて患者様の口腔ケアの計画を策定、口腔ケア・治療実施(術前)
  ↓手術・入院(病院にて歯科医院からの情報を入院・治療中の口腔ケアに活用)
③歯科医院にて定期的な口腔ケアの実施(術後)

※手術やがん治療を受けることになったら、ぜひ周術期口腔機能管理をご活用下さい。手術前後の口腔環境を整え、治療の質を高めることができます。

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