コラム|01_アシモからわかる人間の脅威のバランス力 鍵はアゴにある

ヒト型二足歩行ロボットといえば、ホンダが開発した「ASIMO(アシモ)」ですよね。
ホンダが二足歩行ロボットの開発をスタートしたのは1986年。人間のように凸凹道でも歩き、ジャンプができるまでになんと約25年もかかったそうです。ヒト型ロボットにかかった開発費は公表されていませんが、推定年間56億円と言われています(ホンダは毎年売り上げの5%を研究開発費に回し、うちアシモに1%を投入していると言われているため)。
世界のホンダが毎年数十億円をかけて25年かかったことを、人間は生まれてから数か月でハイハイ、つかまり立ちと進み、たった1年で行うことができます。そう考えると、すごいですよね。私たちは、普段、普通に立ったり歩いたりしていますが、技術的には大変高度なことを行っているというわけです。

人類は、直立二足歩行することで、大きな脳を手に入れることができました。四足の動物の場合は、頭が大きくなると支えることができません。けれども、人の頭はからだの真上についているので、脳を大きくすることができ、それが知能の発達につながりました。

人は直立することで大きな脳を得ましたが、その代わり、じっと立っていることが難しくなりました。立ったまま目をつぶると、体は常に前後・左右に揺れてしまいます。何かにつかまったり支えられたりしなければ、私たちは何時間もまっすぐ立ち続けることはできません。大きな頭を持ち、二本足で立つという状態は、とても不安定なのです。そこで、からだ全体のバランスをとるものが必要となりました。
それが「あご」なのです。

あごは地面からもっとも離れた位置にぶら下がっているため、全身のバランサーとして重要な役割を果たしています。大きな脳をしっかり支えながら、咀嚼や口を大きく開けたりする限界運動、発語などで脳と密接に関わってきました。あごは、人類にとって欠かせない要素となったのです。
つまり、あごのバランスが人類の進化を支えてきたということです。
そう考えると、「あご」はすごいですよね。けれど、脳や手足のように派手ではなく、縁の下の力持ちのような存在。もっと、あごの素晴らしさ・重要性が世の中に広まると嬉しい限りです。

出典:「脳が若返る かみ合わせ健康法」 丸山剛郎・澤口俊之 著(農文協)

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